「なくなったら、私は私でなくなる。そんな気がして、怖いんだ」(篠田千晶)

『Darker Than Black−漆黒の花−』連載開始記念。『Darker Than Black−黒の契約者−』DVD第一巻のネタバレ感想です。第二期があるかどうかは分かりませんが、テンションが上がってきたので^^


第一話:契約の星は流れた…前編

 放送時は誤読していたんですが、改めて見返してみると、今の篠田千晶がドールである伏線がちゃんと張られているんですね。ジャンが千晶に対してドールについて話すところとか。初視聴時は視聴者にドール(ひいては銀<イン>)の説明だと思わせておいて、あとから反転する(目の前の千晶に語っているとわかる)辺りが、もうたまりません。

第二話:契約の星は流れた…後編

「ただ暗闇の中で見たあのランセルノプト放射光のきらめきが目に焼き付いて離れなくなって……、美しかった」(篠田千晶)

『Darker Than Black−黒の契約者−』という物語は紛れもなく、黒<ヘイ>の物語ですが、この二話だけは間違いなく篠田千晶の物語だった。

 黒<ヘイ>、そして、白<パイ>(黒<ヘイ>の妹)と過去に繋がりがあったと思われる千晶の物語なので、全話視聴後に見るといちばん感慨深いエピソードかもしれませんね。

 千晶の両親を殺した契約者が白<パイ>で、過去にBK201だった彼女の能力が、今の黒<ヘイ>に移譲されていることを思うと、この二人の出会いは運命のいたずらとしか思えない。千晶を魅了したランセルノプト放射光が今の黒<ヘイ>に宿っているからこそ、千晶は彼に惹かれていったのかなぁ。

 そういう意味では、最後に彼女が身を挺して黒<ヘイ>を守ったのは、彼女が紛れもなく千晶であったからと思いたいところ。初回版のブックレットには、ランセルノプト放射光に魅入られた千晶の記憶の残滓がそうさせたのか、あるいは李舜生に対する想いがそうさせたのかと書かれているけれど、ぶっちゃけ両方だよね(笑)

 BK201のランセルノプト放射光に魅入られた千晶だったからこそ、そのきらめきを持つ黒<ヘイ>に惹かれていった……。たとえそれがドールにとって偽りの記憶だったとしても、その瞬間は紛れもなくほんものだった、ドールにとっても千晶にとっても。

 だからこそ、

「なくなったら、私は私でなくなる。そんな気がして、怖いんだ」(篠田千晶)

 という台詞に酔いしれるのです。

 すでに自我を失ってしまっているから、その喪失感をドールは知っていて、だけど、今は千晶だからそれを知らないはずで、でも、その喪失感を何よりも怖れている。ドールと千晶、二人の喪失感が同時に出ている屈指のシーンですね。



 今気づいたけれど、

・ドールと千晶
・黒<ヘイ>と李舜生

 で、二人とも二人で一人なんだよね。最後に肯定されたのが、合理性と人間性を併せ持った「人」だったことを思うと、このファーストエピソード、岡村天斎監督どんだけーって感じです。すげー、最初から着地点が見えてたのか!!

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