「立って歩け。前へ進め。あんたには立派な足がついてるじゃないか」(エドワード・エルリック)

『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』第三話「邪教の街」のネタバレ感想です。男は背中で語ります。


 恋人の死という、向き合うには辛すぎる現実に対して、自分の望む「幻想」を笑顔で見せてくれるコーネロと、自分には厳しすぎる「真実」を突きつけてくるエド。そして、それぞれが恋人の死を乗り越えるための対価として要求したのは、ただ祈ることと自分の足で歩くこと。

 ロゼを中心に、コーネロとエドがどこまでも対照的に描かれているのが良いな。賢者の石を使うという裏技を使っているだけあって、努力というものをしないコーネロと地獄から独力で(もちろんアルやウィンリィの助けはあったけれど)這い上がってきたエドと、語る言葉の重さが違います。

 閑話休題。
 この辺りは前回のアニメ化(以後「前作」とでもしましょうか)では、丁寧に描かれていて。エドが錬成陣なしで錬成できる理由をコーネロは国家錬金術師の証――銀時計――に見るわけです。賢者の石を使う自分と同じように、銀時計が術法増幅器として働いていると。おまえも裏技を使っているんだろう? と(笑)。小悪党ですね
 それに対して、アルは兄さんが国家錬金術師になれたのは「努力」という対価を払ったから、みたいなことをロゼに語るんですね。エドがすごいのは国家錬金術師だからじゃなくて、国家錬金術師になれるほどの「努力」ができたから。まあ、厳密に言ってしまえば、錬成陣なしの錬成は真理の扉を見たからなんですが、これもまあ母を蘇らせるために「努力」したからなので、ギリギリセーフでしょう。何気に「努力」がクライマックスで重要になってくる辺り、凄まじい伏線でした。

 それでは本題に戻りますね。閑話休題、長いな(>_<)
 前話でエルリック兄弟のバックグラウンドを描いているので、その言葉の重さ――死者を蘇らせようとする業の深さ――がストレートに届きますが、この辺りどうなんだろう? コミックスであったり、前作であったりで初見時は、当然彼らの過去を知らずに体験することになるので、彼らの過去にいったい何があったのだろう、と妄想がどんどんふくらんでいくのが楽しかった思い出があるんですが(笑)。



 今回のアニメ化だと、おそらくは全二十五巻程度で完結するであろう内容を全五十話で表現しなければいけないので、削れるところは削って根っこの所、核の部分を見せていく。そういう方向でやっているんでしょうか。

 この辺り、前回のアニメ化でこの業界に入ってきた僕としては(笑)、丁寧に描かれた前作が気に入っていただけに寂しいけれど、こういうやり方もありだよなぁ。展開が早くて面白いです。

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