「ご存じ、ないのですか? 彼女こそ、代役からチャンスを掴み、スターの座を駆け上がっている、超時空シンデレラ・ランカちゃんです!」

 シェリル派の自分としましてはやっぱり切ない展開なんですが、ランカも全然可愛いよね、と浮気気味な(笑)、第12話「ファステスト・デリバリー」の感想です。しかし、この台詞、めっちゃ笑っちゃうよね(笑)。


「何が役者の血だ! そんなもの知るかよ! 俺は――」(早乙女アルト)

 方向性としては正しいと思うんですが、まだまだという感じでしょうか。基本的に本作では何かしらポジティブな展開があると閉塞空間を打ち砕くような演出になるので、そういう演出がない今回では、アルトくんは血の呪縛から抜け出すことが出来なかった、という感じですかね。

 たとえば、役者の血を引いているから役者をするのではなく、自分が演じずにはいられないから役者をする――、そういう所にこのテーマは落とし込んでいくんだと思うんですが、そうなると、人は宇宙を目指さずにはいられなかったという「本能」と、今回ゼントランの彼が言ったような戦わずにはいられない「血」を、作中でどう区別していくのか、楽しみですね。というか、普通に同じものの表裏って感じだけど。



「すごいわね、彼女」(グレイス・オコナー)

 完膚無きまでに、ランカに敗北を期したシェリルに対する、グレイスの言葉。この人、えげつねー。シェリルが今回風邪を引いてしまったのも、あるいはこの人の差し金かもしれないだけに、色々といいたいことはありますが、まあいい。

 というのも、シェリルに関しては割と心配していないんで。
 現在無理がたたって(展開としては)随分落とされている彼女ですが、銀河一のアイドルにのし上がったその実力(および努力)は伊達じゃないはずなので、彼女ならばまた上がってきてくれるだろう、と。

 そして、もうひとつ、僕の感触としてのお話になるんですが、『マクロスF』という作品は「家族」(あるいは親子)の物語なんじゃないかな、と思うわけです。

 父親との確執に悩むアルト、お兄さんの死が怖いランカ、家族がいないシェリルとメイン三人は言わずもがなですが、お姉さんのことで悩んでいたミシェルや大統領である父との関係が微妙なキャシー(キャサリン)とか、家族関係をかなりクローズアップしている印象があります。

 前述した、「血」のお話とかもそうですね。「血」は家族の証でもある。現状ネガティブなニュアンスで「血筋」というものを捉えている感があるんですが、これはきっとどこかで反転するんじゃないかと。輸血シーンがあるとか。そして、何より、物語序盤でアルトとランカの二人が血液検査を受けているのは、伏線だと信じてますよ。

 ちょっと、脇道にそれちゃいましたが、家族がいないシェリルが最終的には家族を得るっていうのは、割とスタンダードな予測ですよね。



「ハッピーバースデイ、アルトくんっ!」(ランカ・リー)

 シェリルがアルトのために用意した舞台を颯爽と奪って、二人で空を見ていたのは正直シェリルスキーとしては許せない感があるんですが(笑)、こりゃあ仕方ないわ。可愛い、とにかく可愛いといっておきましょう。今回のランカ、可愛すぎるわ。ものすごく愛でたい。

 しかし、いつまでもデレているわけにはいかないので、しゃんとします。前回に引き続き、今回も「シンデレラ」と評されているランカちゃんですが、これやっぱりうがった見方をしてしまうなぁ。つまりは、ランカを「シンデレラ」そのものとして捉えてしまうっていうことですね。

 いつか魔法は解けてしまうという点と、王子様とは一度別れなければいけない点、そして、王子様と再会する点。個人的にシンデレラストーリーを解体すると、この三つに分けられると思うんですが、これを前回の感想に書いた「ランカちゃんは実は未来少女」説に当てはめると、妙にしっくり来る。

 現在アルトくんの時代にいるのはすでに魔法にかかっている状態で、いつかは未来に帰られなければならない(=魔法が解けてしまう)。この際、アルトくんとは一度別れなければいけない(=王子様とは一度別れなければいけない)。未来に帰るわけだから、そう年代が離れていない限りアルトくんと未来で再会できる(=王子様と再会する)。

 いや、まあそんなに真剣にこの説を捉えているわけではないんですが、ここまで符合するのは実に不思議なものだなぁ、と思います。いえ、ただ恣意的に情報を捉えているだけなんですが、解釈って本当にいくらでも出てくるんだなぁ、そりゃあ、これだけで違う捉え方ができてしまうなら人がわかり合えないのも無理ないよなぁ、といやに感心した次第です。

→もちろん聴いてます、ランカ・リー(=中島愛さん)のデビューシングル。

星間飛行


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