「飛ばずにはいられない……、か」(早乙女アルト)

 第05話「スター・デイト」の感想です。フロンティアではすべてが循環する、人の「命」も、人の「想い」も……、これはそんな物語。


 第五話にして、ようやくマクロスFのテーマを読み取れて、その流れでもって、あのライブシーンを見てしまっては興奮を隠せない。つうか、隠す必要などないだろうって感じで、ひたすら燃えた。

 思えば、すべては、第一話、アルトがバルキリーに乗るときから始まっていたんですよね。ギリアムの想いを引き継いで、バルキリーに乗ったあのときから。

 その後はもう何度か感想で触れているとおり、ビリヤード、あるいはキャッチボールのように、登場人物がそれぞれに想いを伝えあっていく。第三話のシェリルの姿に感化され、ランカが……、そして、そんなランカに感化され、アルトが飛ぼうとする。第四話では、今度はアルトが飛ぶことを諦めようとするランカに「諦めるなよ」と諭してやる。

 マクロスFはそういう双方向のコミュニケーションが光っている作品で、それは「想いの循環」とでも称したらいいでしょうか。ここまで来て、ようやく冒頭のナレーションに痺れるわけです。

 すべてが――人の「命」さえも――循環している惑星で、人の「想い」もまた循環して行っている、と。それが、今回のライブシーンに集約されている。

 アルトの「飛ぼうとする意志」の象徴である紙飛行機に勇気をもらって、ランカは歌い始める。その歌は、まず周辺のミュージシャンを魅了し、彼らに楽器を弾かせる。そして、彼女らの歌はフロンティア全土まで伝播していって、終いにはバジュラにまでも届いてしまう。

 彼女の歌が、想いが。

 このバジュラにも届いてしまうランカの歌っていうのが、設定的にもテーマ的にも、どんなところに落とし込んでいくのか楽しみです。ある意味、彼らは彼らで、攻撃するという形で、ランカの「想い」に応えているわけですから。いや、本当にどうなるんだろうなぁ。

 そんなわけで、作品テーマを乗せて描かれたライブシーンは、鳥肌が立つぐらい、興奮したよ。まさに「デカルチャー!」。あと、シェリルよりも先に開かれた場所でランカがうたったというのが、何気にポイントなんですかね。作品としてのヒロインは、彼女だと。まあ、まだ宇宙があるから、早計……かも?ですが。



 と、まあ、真面目な話はこれぐらいにして、あとはもう、ひたすら女の子女の子しているシェリルに萌えました。これはやばいよ。ロッカールームの「大人」なシェリルというだけで、かなりキてるのに、その後の女の子らしいシェリルを見せられては、陥落せざるをえない。というわけで、僕は墜ちました(笑)。

 とはいえ、そんなプライベートな側面を見せつつも、しっかりとオフィシャルな、つうか、プロフェッショナルな側面も見せている辺りが、また手加減なしって感じで面白い。本当に息つく間もないよね。イイわぁ、マクロスF。



 そんなわけで、今回は「想いの循環」を乗っけたライブシーンに燃え、女の子らしいシェリルに萌えた、第五話「スター・デイト」の感想でした。故郷(=ギャラクシー)を失ったシェリルは、次回どうなるのか、今から楽しみで仕方がない。一週間が長いですね。あー、楽しみだ。

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