「できるんなら、とっくにやってるさ!」(早乙女アルト)

 第03話「オン・ユア・マークス」の感想です。あまりにあざとくて吹いた(笑)。今回は自分で飛ぼうとしなかった(閉じた場所から脱出しようとしなかった)人たちが、改めて「飛ぼう」と決意するお話でした。シェリルが良い味出してましたね。


「そうさ、俺は――」(早乙女アルト)

 シェリルからランカへ、そして、アルトへと「飛ぼう」とする意志が伝播していった今回のエピソード。ランカの歌とアルトの紙飛行機は、それぞれその人にとって閉じた場所から抜け出す重要なアイテムというわけですね。

 それがガジェットとなって、ランカとアルトが飛ぼうと決意する辺りがひたすら燃えるわけですけれど、やっぱりそれまでの過程ががっちりしているので、なお「おおっ!」と声をあげて、賞賛したくなりますね。この辺り、もう何度も見てるよ。イイ。



「運命ってのは、そうやって掴み取るものなのよ!」(シェリル・ノーム)

 今回シェリルもアルトも「運命」という言葉を使っているんですが、その意味はまったく真逆ですよね。アルトは今までの「閉塞感」と同じラインにある、息詰まるようなものに対して「運命」という言葉を使っている。一方、シェリルはその「閉塞感」を抜け出した果てに掴み取る、ポジティブなものに対して、「運命」という言葉を使っている。

 それらの違いが端的に現れていたのが、閉じ込められたときの諦めるアルトと諦めないシェリルでしたね。この場面もそうだけど、今回はシェリルの魅力全快って感じで良かったです。



「みんなは私を幸運だっていうわ。でも、それに見合う努力はしてきたつもりよ。だから、私はシェリル・ノームでいられるの!」(シェリル・ノーム)

 この台詞でシェリルっていうのは、天才というよりは「努力の人」で、積み重ねてきた努力があるから、今は「自信」が体中からみなぎっている、そういうキャラクターだとわかったわけですが、これは早晩崩されるんだろうなぁ。他ならぬランカによって。

 まあ、すでにランカやアルトの先を進んでいて、その自信が砕かれた後に、改めてリスタートできる人だと思うので、全然心配していませんが。その辺りで、シェリルの「歌」への想いとかを語ってくれたら、もうグッと来ること間違いなし。



 そんなわけで、今回はアルト風「運命」を切り開こうと決意した少年達のお話でした。2クールものというだけあって、展開がスピーディで面白いですね。次回で、もう壁に当たっている感じだし(笑)。

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