「戦争根絶か何だか知らないけど、戦えば人は傷つく」(看護婦さん)

 第18話「悪意の矛先」の感想です。これは、ちょっと事前にこういう話らしいですよ、というのを聞いていなければ、すぐに感想が書けなかったかも。


 作中では、ソレスタルビーイングの武力介入の対象になっているのは、「紛争」という括りになっているけれど、視聴者的に捨象して見ると、「生命」という括りで見た方が良いかな、と思います。

 これまで、人の命を奪う戦争や人の命を弄ぶ超兵機関のような、存在に対して、刹那たち、ガンダムマイスターズは武力介入を行ってきた。そんな刹那たちに対して、前回、今回とトリニティが対象としてきたのは、人の「命」そのもの。

 そして、まったく持って共通項が見えてこないマイスターズに一貫しているのは、その「生命」に対する感情ですよね。これまでの感想でも色々取り上げてきたけれど、自身の紛争経験により生きることの尊さを感じ、それを守るために戦っているっぽい刹那も、テロによって家族を失ったロックオンも、生命を弄ぶ超兵機関によって人殺しになってしまったアレルヤ(&ハレルヤ)も、その機関に嫌悪感を示すティエリアも、彼らに共通しているのは、格好悪い、うだつの上がらない言い方で言うなら、「命って大事だよな」という精神。当ブログで使ってる、「死の実感」というのも、ようは死の実感を得ることで、命って大事だよな、と反転するということ。

 そういうトコロもあって、割と僕はダブルオーっていうのは「生命讃歌」の作品なんじゃないかな、と思っていたりします。今回ルイスにあんなことが起こったけれど、僕は製作者の良心を、信じてますよ。



「そんな道理、私の無理でこじ開ける!」
「どれほどの性能差であろうと、今日の私は阿修羅すら凌駕する存在だ!」(グラハム・エーカー)


 仲間の死によって、パワーアップするとか、少年漫画みたいな展開なんですが、これも「死の実感」に裏打ちされた、生命讃歌の強さかな、と。初登場の時から強者っぽく描かれてきたグラハム・エーカーですが、彼のその強さを裏付けているのは、やっぱり「死の実感」なんだと思いました。「上官殺し」とジョシュアに揶揄されていたのは、どうも性能実験中の事故で、ということらしい。でも、グラハムは上官の死を「不幸な事故だった」と軽く受け止めず、重く見ている。人の死を重く受け止められるから、逆に命を大切に思える……。だから、グラハムは強い。こういう所が、AEUのエース、そして、ヨハンたちと違うトコロなんでしょうね。



「トリニティにやり方は確かに無謀だわ。しかし、これで世界が変わるというなら……」(王留美)

 台詞的には、トリニティ肯定?とも取れる王留美(ワン・リューミン)ですが、カット的には見上げる、見下ろされるモノが増えてきました。本格的に、地上側(地球側)に移行していっている感じです。



「ごめんね、沙慈。せっかく買ってもらったのに、すごく綺麗なのに、もうはめられないの」(ルイス・ハレヴィ)

 ルイス。・゚・(ノД`)・゚・。

 それでもそれでも! 左手を失ってしまったけれど、ルイスが生きていて良かった、と言いたい。そして、今の所、沙慈もガンダムを憎んで……、という感じではないのが、ホッとしています。復讐心に駆られて、軍隊に志願、あるいは兵器開発に着手とか、やってしまうと、何のための「死の実感」だよ、と言いたくなる。死の実感に触れることが、逆に命の尊さに触れることでもある、という描写をやっているのに、一般人がその命を奪う戦争に加担するとか、何だよ何考えてんだよ、とか言いたくなる。それなら、まだルイスの左手を再生するために、専門をバイオ関係に移す方が沙慈らしいと思う。リボンズ(reborns)の存在もあるし、軍に志願するというのはルイスから離れるということなんだから。

→DVD(今夏から、Blu-ray Discでのリリースが決まっているので、あまり急ぐ必要はないかも)

機動戦士ガンダム00 3





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