「何故、この世界は歪んでいる?」(刹那・F・セイエイ)

 第14話「決意の朝」の感想です。絹江さんに、死相が見えるんですけれど……(苦笑)。あと、珍しく、ティエリアも「見上げる」カットがありましたね。


 OPとEDが変更。これ、めちゃくちゃイイ! もう、四、五回眺めてるよ。とりあえず、箇条書きで。

・OPの王留美(ワン・リューミン)は、これ見上げてる?(地上人サイド?)
・新ガンダム三機(ガンダムスローネ)、刹那達と敵対?
ティエリアが地球を背に戦っているのは、期待してもいいのかな?
・というか、マイスターズ、共闘?

 冒頭の地球に落ちていく刹那とか、ラストの天に昇っていく描写は第二クールOPでも、健在。ということは、まだ「見上げる−見下ろす」に代表されるような「地上−天上」の構図は、生きているということかな。今クールでは、刹那達が見下ろされそうな気がするんだけど。
「見上げる−見下ろす」構図で行くと、エンディングなんてかなり感慨深い気がします。マイスターズで、空を見上げているシーンとか、グッと来たよ。本編でもシンクロするような展開に期待。



「馬鹿馬鹿しい。ガンダムは兵器だよ。目的を遂行する為、人を殺める為に作られたものだ」(アレハンドロ・コーナー)

 前回のアレハンドロ・コーナーの微笑みは、「嘲り」だということがわかり、急展開というわけではないけれど、次なる展開に向けて、動き出した第14話「決意の朝」。

 前回まるで神のように行進したガンダムが、アレハンドロ・コーナーからは、ただの「兵器」にすぎないと、目的を叶える「手段」にすぎないと、地に落とされ、各国家群からは他の陣営から抜きんでるための「手段」として扱われるガンダムが切なかった。「兵器」としてのガンダムという意味では、OPに登場した三機のガンダム、ガンダムスローネがよりそのコンセプトに近いものなんだと思うけれど。

 ただの「傍観者」かと思ったら、とんだくわせものですね。



 今回、世界に何かしら「歪み」があると悟った刹那とティエリアだけど、その気づき方にしても地味に「地上−天上」の構図があるのが熱い。刹那は直感的に「何かおかしい」と悟り、ティエリアはデータを分析して悟っているというのが、実感する「地上人」、俯瞰する「天上人」をフィーチャーしている感じです。

 これまでの描写や、今回の気づきとか、対照的な二人なんだけど、最近はそれが決定的な決裂を意味しているというよりは、むしろ共闘に向けての「タメ」のような気がしてきました。というのも、ソレスタルビーイングの「目的」を額面通りに受け取っているのが、今のプトレマイオス隊なんじゃないかなぁ、と思うからで。ティエリアも、やっぱりその一人にすぎないんじゃないかと。

 根本は同じというか、共闘する土壌がマイスターズにはあると思うですが、それが今回のクリスティナの「連帯感、ゼロね」という台詞が象徴しているように、今はまだバラバラで、でも……という感じになるんじゃないかなぁ。



「また上官でも殺したかな?」(次週にも退場しそうな軍人)

 センチメンタルな乙女座、グラハム・エーカーにも暗い陰が。OPでロックオンと因縁づけられている感があるんですが、これがそれに繋がっていくのかな。



■今週のマリナさん

「そこにいるのは、誰?」(マリナ・イスマイール)

 こ、この人、寝込みを襲われるの、慣れてますよ!(笑) まあ、冗談はさておき、「対話が大切だ」と主張するマリナさんに、刹那が問いに来たということで、刹那が「対話」を認め始めた、歩み寄り始めたシーンでもあるんですよね。でも、マリナさん自身がまだ自信がなくて、まっすぐ見つめる(見下ろす)刹那にとまどい、言葉を濁してしまう。マリナさんの言葉を最後まで聞かずに(「対話」を完了させずに)、刹那が帰ってしまうのは、まだ完全に歩み寄ったのではないからで。本当に二人が歩み寄るのは、まだ先。

→DVD(今夏から、Blu-ray Discでのリリースが決まっているので、あまり急ぐ必要はないかも)

機動戦士ガンダム00 3





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