「自分の過去ぐらい、自分で向き合います」(アレルヤ・ハプティズム)

 第11話「アレルヤ」の感想です。今回は面白かった。すごくビターなお話。


「作戦完遂に全力を尽くします。私はそのためだけに存在を許されているのですから」(ソーマ・ピーリス)

 今回で、あるいは過去(「超兵」としての自分)をアレルヤは断ち切れたかも知れないけれど、今度は別の過去(「ガンダムマイスター」として自分)が追っかけてくるというストーリーラインを暗示していたのが面白かった。いずれ行われるであろう、最後の「超兵」(同類)との闘いに、否応なく期待が高まります。

 第五話の感想で、アレルヤはソーマの「先駆け」(「超兵」としてではなく、一人の人間として生きる先駆者という感じ)になるんじゃないかと書いたけれど、実際はアレルヤもまた「人殺し」という呪縛(「超兵」としての自分)から逃れることが出来ずにもがいていたのが前回で、そういう意味ではその研究所を自らぶっ壊すことで、「超兵」として運命づけられていた「人殺し」(=他者に与えられた役割)ではなく、自ら進んで「人殺し」になった(=自分の役割は自分で決めた)、いつかの「これで稀代の殺人鬼だ」という台詞を真に受け止めることになったのが、今回だったのかなぁ、と。モチ、作戦直後のアレルヤは逃げ出しているし、人殺しの悲しみはハレルヤが代替しているので、その段階ではまだ受け入れきれていなくて、でも、最終的にはあのスメラギさんとお酒を飲むシーンで、(人殺しの)痛みを、(お酒の)苦みと共に飲み込んだという感じ。なんだかんだ言って、(アレルヤがしたくない)人殺しを代行したり、(アレルヤが同類を殺してしまった)悲しみを代替したりで、アレルヤに優しいハレルヤは嫌いじゃない。

 あとは、地味にまだ「人殺し」になっていないっぽい(「超兵」としての存在意義を果たしていない)ソーマを、アレルヤはどういう道に進ませることができるのか、それが今後の見所でしょうか。アレルヤ−ソーマのラインは(あともしかしたらティエリアも)、完全に他者に与えられた「役割」からの脱却がテーマになっているような気がしますよ。



「待機中だ、少尉。持ち場に戻れ」(セルゲイ・スミルノフ)
「その内、わかるわ。きっとね」(スメラギ・李・ノリエガ)


 これまで散々対照的に描かれてきた二人でしたが、ソーマ、アレルヤを前にした時の二人は相似形。ソーマ、アレルヤを見る、ちょっとだけ哀れんだような、そして、それ以上に優しげな二人の表情が、良かったです。というか、これはもう、やっぱり「スメラギ×セルゲイ」なんじゃない?(笑) ロシア人というと何故か「お酒に強い」というイメージがあるし(寒いからか)、任務で地球に降りたスメラギさんとセルゲイさんが偶々酒を酌み交わすことになるエピソードなんかはあっても良いんじゃないかと。まあ、今はスメラギさんにとって苦いだけの酒が、旨い酒になった時、誰と飲んでいるかで決まると思いますが。お酒は飲んだことがないので、わからないのですが、甘いお酒というと「日本酒」とかでしょうか。となると、日本人か……、日本人、日本人、あっ、スメラギさん自身が日本人じゃん。これじゃあ、絞れない。



「可愛いよなぁ。きまじめで、他人に八つ当たりなんかしてさ……」(ロックオン・ストラトス)

 前回自分の生命の危機に思わず、奥の手(ナドレ)を解放してでも、自分の「命」を守ってしまったティエリア。前回は自分の失敗に涙し、今回はロックオンに色々指摘されたりで、徐々に彼の人間性が浮き彫りになっていきます。そういう意味でも、

「過去というものがあの男を歪ませているのなら、それは自らの手で払拭する必要がある。それでこそ、ガンダムマイスターだ」(ティエリア・アーデ)

 という台詞は、彼なりの優しさの発露だと思った。理科の実験が嫌だから、実験器具を隠しちゃう的な短絡性はあるけれど(笑)。多分、彼の台詞の多くは、彼が一体何ものなのかということが分かって初めて、ああ、そういうことが言いたかったのね、とわかる感じなので、今の所はまあ良いかなぁとは思いつつも、最近のティエリアは嫌いじゃない。

 そして、あのティエリアだって、(「命」の危機の前には)そうなんだから、いずれ訪れるであろう地球上の全人類の意志が一点に集中するのは、やっぱり全人類の生命の危機に対してなんだろうなぁ、と思った。その刹那だけでも良いから、全人類(全陣営)が協力し合って自分たちの命を守ったら……、ちょっと燃えますよね。



「当てにしているぞ、フラッグファイター」(グラハム・エーカー)

 久々登場のグラハム・エーカーさん。初っぱなから、

「モビルスーツの性能差が、勝敗を分かつ絶対条件じゃないさ」

 と、ガンダムの名台詞をオマージュして、飛ばしてます(笑)。今後ダブルオーで仮面をつけるとしたら、やっぱりこいつだな、と思った。唯一今作の登場人物で違和感なさそうだし(笑)。

 AEU、人革連と、ソレスタルビーイングに煮え湯を飲まされた順に、今度は彼らを追いつめているので、次はユニオンの番ですかね。その追いつめ方にしても、各陣営で特色を持っている辺り面白かったり。AEUはサーシェスの独壇場(一騎当千型)で、人革連は大量の探査機、ティエレンを投入しての物量戦術でしたが、ユニオンは、グラハムとフラッグファイターの少数精鋭型という感じでしょうか。
 次回アザディスタン王国を巻き込んでの、ユニオンの逆襲に期待!

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