「みんなのおかげで、ちょっとやる気になれたの」(水澤摩央)

 第06話「each melancholy」の感想です。二見瑛理子、水澤摩央という、キミキスの二大ハイスペックキャラの対照的な状況を描いた回だったかなぁ、と。


■水澤−甲斐side

「教科書触るとじんましんが出る〜」という大げさな原作設定を上手いことアレンジして、勉強会→学年15位という展開に持っていったのがなかなか。高校受験時の挫折から、「私は甲斐くんみたいにやりたいことがあるわけじゃないから」と、現在の摩央姉ちゃんは夢や目標といったものをロストしているわけですが、それでも光一や一輝達が応援してくれるので、頑張れる、目標はないけれど努力できる摩央姉ちゃんと「できない自分を受け入れられないの?」と、できないなら努力する必要なんてないじゃない、と少年漫画の悪役が言い出しそうなことをいう二見さん。というか、マジで仲間パワーで学年15位を勝ち取った摩央姉ちゃんと、IQ190というこれまた漫画っぽい設定で満点を叩き出す二見さんのシーンは、少年漫画のノリでしたね。
 そういう周りに色んな人がいる摩央姉ちゃんと一輝はいても基本的には独りな二見さんを対照的に描いた上で、今後どうなるか。二見さんも摩央姉ちゃんに堕ちるのか

 タイトル通り、今回は「それぞれの憂鬱」ということで、摩央姉ちゃんは勉強面以外にも恋愛面についてもちょっと憂鬱な感じ。「恋の相談なら、いつでも乗るわよ?」と言いつつも、一人のけ者にされてヤキモチを焼いている甲斐くんの心情に気づかない辺り、やっぱり摩央姉ちゃんも恋愛初心者ですね。それ故にラストシーン、自分との会話を突然中断して、星乃さんの所に行ってしまう光一に対して、憂鬱そうな表情を浮かべているのが何とも言えず切ない感じです(それとも、あのシーンは光一の表情が見えないので、昔は何を考えているのかよくわかっていた光一も、いつかは何を考えているのかわからなくなってしまう、離れていってしまうことに不安を覚えたと取るべきでしょうか)。ホント小説版っぽい展開になってきたなぁ。とはいえ、この二人には「夢」というキーワードがありそうなので、最終的には収まるべく所に収まるでしょう。甲斐はバンドの仲間を探すために大学進学し、摩央姉ちゃんは夢を見つけるために大学進学するとか、そういう展開を期待したいトコロ。

■二見−相原side

 前回で一皮剥けた(最初の方の作画が別人だったので、マジで脱皮したのかと思った(笑))相原は、冒頭から行動的。元々はこういうキャラクターなんでしょうが、あまりに行動的なのでちょっと違和感。とはいえ、行動力があっても経験がないので、なかなか上手くいきません。これからは「中途半端なのやめるよ」というなら、ユニフォームで来いよ、と全視聴者から突っ込みが来たに違いない。

 あと二見さんを自分たちの輪に入れようと尽力するのはナイスなアイデアですが、それが勉強目的で……というのが最悪。彼女は勉強ができるが故に、孤立化しているというのに(それを思うと、ドラマCDのエピローグが良いッスね。というか、今回勉強会に参加しなかったのは、今後のタメ?)。

 あっ、そうそう、「できない自分を受け入れられないの?」という言葉は、後に二見さん自身に返ってきます。その時の彼女の反応に期待。

■星乃−真田side

 もうさっさとくっついちゃえよ、と視聴者をヤキモキさせている星乃さんと真田くんですが……、今回もまた地味に関係を深めていってます。もうこのまま特に何も起こらずに、収まるべくトコロに収まるんじゃない?と視聴者を安心させたところで爆弾を投入するつもりなのが、(原作ファンとしては)目に見えているので、あくどいかなりあくどいぜ、アニメスタッフ! そんなわけで、当分このままほのぼのとした二人の関係に終始すると思われます。今回は真田くんがプリントを持ってくれた時の、伏し目がちな表情が良かったなぁ(しみじみ)。

 前回頂いたTB先の感想を眺めていると、星乃さんが挙げた作品に不安を覚えた、作品の結末が不安になったみたいな感想を見かけたのですが、どちらかというと彼女が挙げた著作よりも真田が作る脚本の方が大事。物語中盤から後半で、撮り始められる(であろう)映画とシンクロさせるように、星乃さんと真田くんの恋を描くのは、それほど想像に難くありませんが、それ故に、真田くんが「今回はもっとイイ感じで」とハッピーエンドを目指してくれているので、僕としては一安心な感じ。今後状況に翻弄されるようなことになれば、星乃さんは確実に折れることになるので、そういう意味でも、もう完全に真田くんの頑張り次第なんですよね、この二人の恋が成就するのは。頑張れー、光一。

→DVD

キミキス pure rouge (1)
キミキス pure rouge (2)
キミキス pure roug3


→主題歌CD

青空loop
願い星


→ドラマCD



→キャラクターソングアルバム

キミキス ボーカル コレクション


→原作ゲーム

キミキス


→小説

キミキスpure rouge 1 (1) (ファミ通文庫 K)







 この記事はアニメガイド - キミキス pure rouge(美少女,恋愛,学園)へトラックバックしています。

前回第05話「jump up」の感想へ/次回第07話「dear actress」の感想へ
『キミキス pure rouge』の感想インデックスへ