「私にしかできないからよ」(マリナ・イスマイール)

 今までとは打って変わって、めちゃくちゃ良いお話(後味も良い)。天上人だとか地上人だとかそんな些末な部分にこだわるよりも、それぞれが自分にできることをすれば、不可能を可能にすることだってできる(今回なら、救助不可能だと思われた232名の人命を救助できた)と、最終的な作品の着地点を示した回かなぁ。


 マリナさんがアバンから登場して、かつ意味深なこと(上記の引用文)を言い出すから、背筋がピーンと伸びた(笑)。それが上手いこと、アレルヤの作戦無視しての人命救助、ロックオンの高々度射撃(?)、刹那の雲切り(笑)と、それぞれができることをして、人命救助を救助するというラストシーンに繋がっていて、痺れました。今までのダブルオーになかったのは、まさにこれだ。やっぱり、燃えるシーンがないとね。

 しかも、それだけには厭きたらず、ソーマ・ピーリスという他者によって自分の「役割」をデザインされた存在を同時に描くことで、今後彼女が「自分の役割」を見つけていくというサイドストーリーを暗示したのがまた良かったです。セルゲイ中佐共々「パパ」の気分で娘の成長を楽しみにします(笑)。

 今回ソーマと共鳴してましたけれど、幼少時代を人革連の施設で過ごしたというアレルヤも「超人機関」とは並々ならぬ関係を持っていそうですね。それを考えると、今回スメラギさんから出された作戦(他者によって定められた役割)を放棄して、自分で「役割」=「人命救助」を選んだアレルヤというのは、ソーマの「先駆け」みたいになっているのかなぁ。



 適材適所、それぞれの役割を果たす、自分のできることをする……など、今回のテーマ(ひいては最終的なテーマ?)は色んな言い方ができると思うけれど、とりあえず今回はまだちょっと寝かせといて、別のお話を(あんまり色々書きすぎると最後に書くことがなくなるというのは、『Darker Than Black−黒の契約者−』の感想で学習した(苦笑))。

 前回のエピソードが、政治を背景にした色々と込み入った状況を天上人らしい「大きな視点」で捉えた回(つまり、天上人らしいマクロな視点を描いた回)だとすると、今回はまさに地上人らしい「小さな視点」を描いた回じゃないかなぁ、と思いました。前回の感想で地上人の「小さな視点」はある程度人の「命」に関係するものじゃないかなぁ、と書いたけれど、まさにそんな感じで。

 第三話の感想でも、スメラギさんの「大きな視点」とセルゲイさんの視点を対比してみたりしたけれど、セルゲイさんはやっぱり地上人サイドの重要人物として、描かれていますよね(スメラギさんはスメラギさんで、天上人サイドの重要人物)。

 そんなセルゲイさんの、

「人命がかかっている!」

「見捨てるしかないのか、二百人以上もの人間を。空はなぜにこうも無慈悲なのだ!」


 という台詞が普通に痺れました。今度はスメラギさんの台詞を引用しますけれど、

「私はアレルヤ・ハプティズムを助けたわけじゃない。ガンダムを守ったのよ」

 という台詞と、セルゲイさんの台詞は対比される部分ですよね。二百人もの名前も知らぬ人間を助けようとしたセルゲイさんと、(ティエリアに対するはったりがあるにせよ)助けたかったのは名前も性格も知っているアレルヤではなくガンダムだと嘯くスメラギさん。(沙慈がルイスを助けようとしたように)知っている人、大切な人を助けるのは当然として知らない人でも助けようとする地上人、大きな視点故に小さな人が見えず、大きな(笑)ガンダムを助けようとしてしまう天上人。どちらが良いとか悪いとかいうお話ではなく、指揮官としては、現状この二人がやっぱり「地上−天上」の構図を担っているんじゃないか、というお話。個人的に、これからもこの二人の言動には要チェックだなぁ。……ところで、この二人、親娘に近いぐらいの年齢差がありますが、スメラギ×セルゲイはアリ?(笑)



 ……と、そんなゴチャゴチャした双方の視点の争いのなか、宇宙から地球を見下ろして、

「きれいね」
「うん、ホントに」
「映像で見たのと全然違う」
「うん」


 という会話を交わせる沙慈とルイスの視点が、何よりも素直で尊い感じですよね。くうー、青春だなぁ。



 さりげなく、最終的にガンダムはどうなるか、予想してみました。興味がある方はどうぞー。



■今週のマリナ・イスマイール

 外交のため仕方ないとはいえ、母国が貧困に苦しんでいるというのに、毎回毎回そんな色んなコスチュームで登場して、(素敵だけど)いいのか!マリナさん!(笑)

→DVD

機動戦士ガンダム00 (1)


→主題歌CD

DAYBREAK’S BELL







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