(良かったぁ、シュウも朱里も昔のまんまだ)(日高佐菜)

 良い意味で、こぢんまりとした、高校生らしい物語を期待。原作ゲーム発売前のアニメ化ということで、販促を兼ねているかと思いますが、そういう意味では、ゲームがしたくなるような出し惜しみをしつつ、小さくまとめてくれたらなぁ、と思います(本放送が終わるまでにゲームが出るので、出し惜しみしないような気もするけれど)。


 ラストシーン(八代菜々香さんのビンタ)にすべてを持って行かれた感があるんですが、それまでに語られた五年前との“変化”がポイントかなぁ、と。上記で引用した佐菜の台詞も、一見若月朱里も修輔も五年前と変わっていないようだけど、実際は全然違っている、五年前とは変わっている、と反転させるための“前振り”だと理解。

 多分、「“自分らしさ”を残しつつ、変化していく」というのが作中で「是」とされる部分だと思うので、そういう意味でも若月姉弟の動向に期待して、見ていこうかなぁ、と思います。



 菜々香が変わった理由については、制作者側もあまり隠すつもりがないのかなぁ、と思うぐらい、既存の情報から推測できると思います。

 まずはゲーム版の公式HPより菜々香の嫌いなもの「火」と「独りぼっちになること」。そして、OPの小さな菜々香が火の中に長髪の人(?)を見るシーン。そして、今回佐菜が神社を訪れますが、その目的が(そこに住んでいるはずの)菜々香に会うことではなかったと思われる点。

 これらから考えるに、菜々香のご両親が火事で亡くなったとかじゃないかなぁ、と思います。だから、「独りぼっちになること」が嫌い。好きなものに「ひとりきりになること」があるのは、最初から一人なら独りぼっちにされる、置いてけぼりにされることがないからじゃないかなぁ。
 また、EDクレジットより佐菜におみくじを売ったおじさんは、「菜々香の伯父」ということなので、菜々香は今伯父の所(=神社)で暮らしているみたいな想像もできたり。佐菜はそれを知らないから、巫女姿の菜々香を見ても反応しなかったし、菜々香に会うために神社を訪れたというわけではないのも、それで説明できる……かな。

 OPの長髪の男(?)がそこはかとなくネガティブな伏線のような気もしますが(放火?)、はてさて。でも、嫌いなものに「義務を怠ること」があるからなぁ、うーん。



 織部麻緒衣さんから隠したゲーム(それも美少女系?)やお母さんとの会話から鑑みるに、日高佐菜は向こうでは「ひきこもり」みたいな状態(“自分らしさ”を守るために、周囲を拒絶したような感じ)だったと理解。

 それがおそらく「ごく狭い世界でのみ生きている感じ」という菜々香とも共通する部分で、今は佐菜も菜々香も自分だけで完結した、閉じた世界に居るんだけど、それが若月姉弟という“自分らしさ”を残しつつも変化してきた人達に引っ張り上げられる形で、あのオープニングで描かれる文化祭のライブシーン――「青空の下」というどこにも閉じていない場所で、思い思いの“自分らしい”楽器を持ってみんなが演奏しているシーン――に繋がっていくんじゃないか、と思います。

 個別のエピソードはゲームでもプレイできるので、そういうエピソードに期待したいなぁ。
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