今回はエピソードを進めずに、現段階で僕が感じているテーマをまとめておこうかと思います。


「ペルソナ3」のテーマを、僕は「受け入れられない自分や現実を受け入れること」、そして、「乗り越えていく=変わっていくこと」だと思っています。

 そのテーマの当て馬として、あの「復讐代行人」がいる。彼らは、現実を受け入れられない人たちの代表というわけです。
 上半身裸の男とか、周りの目を気にせず自己流を貫いていると言えば格好良いですが、あれは他人のことを無視しているだけ。知性的な男とか、頭がよすぎるあまり、周りがバカに見えて、現実に嫌気が差しているとか。ゴスロリ少女とか、別に僕はゴスロリ・ファッションを否定するつもりはありませんが、現実逃避的なニュアンスをやはり感じます。

 そういう人たちを敵に配置して、主人公たちと対比させ、主人公たちは、その「受け入れられない自分や現実」をどんどん「受け入れていく」、そして、「乗り越えていく」わけです。
 ゆかりであれば、お父さん関連のこと。桐条先輩であれば、人工的にペルソナ能力を植え付けられた忌むべき身体。真田先輩は、おそらく過去の弱かった自分。伊織なら、何もない自分(伊織は例外的に、前回言ったような感じですね)。風花も、伊織に近いですね。ああ、だから、伊織はゆかり派じゃなくて風花派なんだ(笑)。



 ストーリーを進めていくと、いくつか背景となる事件があって、その事件を軸にペアが組まれていくのがわかります。
 ゆかりと桐条先輩は十年前の事件だし、真田先輩と荒垣は孤児院でのエピソード(もしかしたら、天田少年も「美紀」さん関連でここに入るのかも)、風花は特別課外活動部にペアがいないので、親友の森山さんかな。伊織は今の所、ペアなし。主人公は、残念ながら(笑)、アイギスかなぁ。

 何故そういったペア、バディーを作っていくかというと、主人公たちもまた、弱い個の存在でしかないから、「自分」やら「現実」を一人では乗り越えられない。
 そこで、仲間パワー――作品に沿った言葉を使うなら、「絆」ですね――で、乗り越えていく。

 桐条武治さんも言ってますね。

「調和する2つは、完全なる1つに勝る」

 と。これは「絆の強さ」の肯定ですよ。
 しかも、その後、桐条先輩に「信じてみろ」というようなニュアンスの言葉をかけます。

 というわけで、ゆかり×美鶴のキーワードは「信じる」こと



 表現的にわかりやすくするためだと思うんですが、そういう「受け入れられない自分や現実」を象徴しているのがそれぞれの「ペルソナ」なんでしょうね。
 だからこそ、自分や現実を受け入れたあとは、「ペルソナ」も変化するんじゃないかなぁと思ったり。ゲームのシステム的に変化するよりは、やはり、ストーリーに沿った形で変化する方が燃えるというもの。
 漫画やアニメだったら、自身の変化によって、乗る機体が変わったりなんかは日常茶飯事ですが、ゲームだと何故か少ないような気がします。やっぱり、自分の努力に関係なく、キャラクターが強くなるのは、タブーなのかなぁ。うーん。



 あともう一つだけ。
 受け入れる、乗り越える前に、前提があって。
 それは、そういう自分や現実を知っていること、忘れていないこと。奇しくも、ゆかりが影時間に対して、似たようなニュアンスの台詞を言っていますね。

「ペルソナ使いは、力に目覚めると、影時間の体験を忘れなくなる。それって、力と引き替えに、目を背けられなくなるって事なのかも。…忘れたい現実からさ」

 この辺りから、ちょっと苦しいですが、「忘れない」こと、「記憶」もテーマかなぁ、と思いながら、プレイしています。思えば、ラブホテルで、任務を忘れて、享楽に浸りそうな展開があったのは、このためだったんだ!(絶対、違う(笑))。
 最後で、割と台無し(苦笑)。

「ペルソナ3」オリジナル・サウンドトラック

バーン・マイ・ドレッド -「ペルソナ3」輪廻転生-

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