伊織の苦悩、ゆかり父の手紙など新しい展開を予感させつつも、とりあえずは日常に戻って、屋久島行きが決まるところから、アイギス登場まで。


 屋久島のビーチでセーブできるのは、各キャラクターの水着姿はいつでも見られるようにしとけよ、という制作者の配慮だと思うので、セーブデータを増やした。でも、多分もう開かない(笑)。

 それにしても、ゆかりの健康的な水着、風花の清楚な水着、そして、桐条先輩の反則気味なセクシー水着と、よくもまあ水着だけでこれだけ個性が出るよなぁ、と感心した。僕はもちろんゆかりの水着姿に釘付けで、他のキャラクターの水着には目がいきませんでしたが(笑)。



 物語的にもこの辺りはターニング・ポイントっぽいなぁ、と思いながら、プレイしてましたよ。十年前の出来事なんか語られますが、私的に重視して語っていきたいのは、岳羽詠一郎(以降ゆかりパパ)の二面性ですね。

 娘と妻を愛するゆかりパパと、成功に目がくらんだゆかりパパ。
 どちらがホンモノの岳羽詠一郎だったのか、というお話ではなく、どちらの顔も持っていたのが岳羽詠一郎という男だったというお話。

 ……で、ゆかりは自分を愛してくれる優しいお父さんしか知らないので、「もう一人のお父さん」を信じられない、受け入れられないわけです。信じたいけれど、信じられない。この信じられない少女が、信じることが出来るのか、今後見所ですね。



 シャドウに本当に時を操る力があるなら、十年前の事故前後に戻っていく展開もありかな。そこで、例えば、その事故を事前に食い止めることができる。でも、それをしてしまって良いのか……と。これはちょっとテーマがタイムトラベル寄りになってしまって、微妙ですかね。なので、ベタにゆかりパパが研究を続けたのはゆかりたちのためだったと裏返るとか。あーでも、もう一方の顔を否定するのは、どうなのかなぁ。



 二面性と言えば、もう一人。ペルソナ研究を始めた桐条鴻悦もまた、何かしら二面性を持っていたんじゃないかなぁ。自分の企業の成功のために、「時を操る神器」を作ろうとしていたなら、深い虚無感を抱くはずがない。目標に邁進していたわけだから。
 それなのに、何故鴻悦氏は虚無感を抱き、実験を暴走させてしまったのか。実は企業の成功は仮初めの目標で、別に何か個人的に目的を持っていたとか。あるいは……、何かに乗っ取られたか(こちらの方が遙かにつまらないですね)。



 アイギスの登場に、少々面食らってしまいましたが、ゆかりが主人公のパートナーという可能性が消えた今(ゆかりは桐条先輩と絡むっぽい)、彼女こそが主人公と対をなすキャラクターなのでしょう。「わたしの一番の大切は、主人公の傍にいる事であります」とか言ってたし。まあ、僕的にはあまり琴線の触れるキャラクターではないので、今後に期待したいところ。

 まだよくわからないんですが、主人公も十年前の事故現場にいて、そこでアイギスと会っているってことなのかなぁ。その時に、アイギスは主人公を主としてインプットした、と。

 主人公の両親も、十年前に死んでいるわけですが、やっぱり、何かファルロスとの関係を考えずにはいられません。ちょうど主人公の十年前って、あんな感じじゃないですか? やっぱり、主人公もその時に死んでいて、今は別の存在(期限付き)ってことなのかなぁ。初めてペルソナを召喚した時に表れたタナトスは、「死を擬人化した存在」らしいので、それを補完しますよね。どうなのかなぁ。この辺りは、多分種明かしの時までわからないんだろうなぁ。結構、何もなかったりして(笑)。



 伊織を実は高く評価している僕としては、今回の「ペルソナ能力がなくなったら、俺って何もないじゃん」というのは、いただけないですね。

 おいおい、お前は、ちゃんと大切な、かけがえのないもの、持ってるだろ

 と、思いながら、彼の苦悩を聞いていました。

 彼が持っている大切なものというのは「優しさ」だと思うんですね(ちょっと表現が青すぎる?)。お調子者の性格が表に出ることが多い彼ですが、実は非常に周りを気遣っている。自分の暴走で、周りの空気を悪くした時も、ちゃんとフォローしようとしてましたしね。

 そして、何より転校してきた主人公に、一番最初に声をかけたのは、伊織ですよ? 不安に思っているんじゃないかと思って、とか言っていたかと思いますが。

 こんな伊織に、何もないって言えますか。

 言えるかよ、って感じですよ。でも、優しい人って、目立たないんだよなぁ(苦笑)。自分でも、気づいていないことが多い。
 そういう意味では、彼の優しさによって、救われた人が出てきて、初めて彼は自身の「優しさ」を自覚することになるんでしょうね。

「ペルソナ3フェス」オリジナル・サウンドトラック

ペルソナ3フェス公式パーフェクトガイド