「変えられるさ。たとえでたらめでも自分を信じて対決していけば、世界だって、変えられる」(犬養)

 文芸好き、漫画好きが同居している僕としては、こういう文芸と漫画の大接近を見逃すわけにはいかない! 短期連載だろうとタカを括って、感想を書きます(普段は週刊少年サンデーを買っていないので)。
 まあ、サンデーのカラーからいうと、「魔王」よりは「終末のフール」の方が合っていると思うけれど。確か「終末のフール」はすでに漫画化されていたので、仕方がない。



 犬養がどう見ても女性にしか見えなかったり、安藤の考え癖が変態チックになっていたのは、少年誌的需要かはたまたオトナの事情か……。

 漫画を担当されている大須賀めぐみさんのことは、今回初めて知ったのですが、日常パートよりも非日常パートの方が好きそうな方ですね。もっといえば、アンダーグラウンドな部分でしょうか。安藤の禁忌に対する考察、犬養の本性辺りもそうですが、痴漢おやじの開き直りなんかとくにノリノリです(笑)。



 過去の暗黒時代を経て、周囲に迎合すること、つまり、「普通」であろうとした安藤でしたが、今回「正義」の自警団、グラスホッパーの本性を覗いてしまったことで状況は一変。

 あとはひたすら彼自身が――他者から見て――「異質」へとずれていき、「怪物」へと変遷していくというお話になるのでしょうか。

 次回、彼は周りに今回のことを話すのでしょうが、周りは誰も信じないんでしょうね。犬養もまた安藤には手を出さないんじゃないかと思います(言っても誰も信じないでしょうから)。
 彼らの対決はまだもう少し先――



 この作品で、読者に与えられた視点は、まさに鳥のようですね。上空から全体を俯瞰することが読者には許される。だけど、登場人物はその人の視点でしかものが見えないから、そのギャップが読者には歯痒くて……、読者はヤキモキしてしまう。

「視点のズレ」というのが、この作品のテーマかなぁ、と思います。原作の内容をすっかり忘れてしまったので、どこまでテーマが被っているのかわからないんですが。

終末のフール