「あたしだって、こう見えても、何かに依存しなきゃ生きていけない、か弱い女なのさ」(石崎香那美)

 友人の死を胸に刻み、決意を新たにした未咲さん。
 今回、アリスを救うことはできなかったけれど、これはつまり、今後未咲さんが、何かに束縛された人を解放してあげる……そのための前振りということなのかな?
 上記のように、香那美さんに言わせていることからも、依存を完全否定しているわけではないと思いますが。まあ、望まない依存、束縛からの解放というところでしょうか。

 未だ咲いていない未咲さんですが、咲き誇るシーンが早く来ることを祈っています(く、来るよね?)。


 斎藤さんの危機に謀ったように登場する黒<ヘイ>が、なんだか可愛かった(笑)。

 今回もまた、本心なのか演技なのか、判断に困るシーンがありましたね。ハヴォックの証言から考えると、黒<ヘイ>が「友達に裏切られるのは辛い」なんて言うはずないんだけど、ヘヴンズゲート消失後に、黒<ヘイ>に何かが起きたのは事実なので、結論は保留。

 そうそう、魏にスピード勝負を挑まれて、

「スピードは俺が上だったな」

 とわざわざ言い返す黒<ヘイ>も、可愛かったですね。



 今回のゲスト、アリスが失ったものは「自由」ではなく、親に束縛されたい、かまってもらいたい、愛されたいという、人としての普通の「感情」だったのでしょうね。そういう意味では、アリスにその感情を思い出させた魏<ウェイ>が彼女を救ったと言えなくもない。まあ、誰もそんな風には考えられないわけですが。

 上で「失った」と書いたけれど、今回は「失おうとした」という言葉の方が合っているかもしれませんね。蜜蜂(?)の成分によって、感情や感覚を麻痺させ、親に愛されたかったという感情を消し去りたかった。だけど……、それで本当に消し去れたのか。

 思えば、ハンバーガーショップでの未咲が、アリスは羨ましかったんだろうなぁ。未咲は、親の跡を継ごうと自らの意志で決意し、それに誇りを持っているようでもあったから。



 今回の魏志軍のように、徐々に生き残るキャラクターが増えてきた「Darker Than Black−黒の契約者−」。後半戦への準備は万端と言ったところでしょうか。
「Newtype」の予告を見ても、今月の「Darker Than Black−黒の契約者−」はかなり面白くなるんじゃないかなぁ。あの男(笑)も再登場するみたいですし(えっ、(笑)の場所が違う?いえいえ、これで合っているのです(笑))。

DARKER THAN BLACK-黒の契約者- 1 (通常版)

DARKER THAN BLACK-黒の契約者- 劇伴





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