「いやいや、そりゃあ見た目に騙されてるよ。すげー怖いんだからあの人」
「へぇ、そうなんですか」
「そうなんですよ」(斎藤雄介&李舜生)


 あーあれ、霧原未咲さん、仕事モードじゃないと、結構可愛かったりする? だがしかし、個人的には、委員長らしいけれど全然委員長してない香那美の方が気になる。

 @niftyにてキャラクター人気投票が行われています。投票はこちらからどうぞ。てか、黒<ヘイ>圧倒的だな。ちなみに僕は儚げな壁紙が期待できる銀<イン>に投票します(香那美さんと迷った)。


 正直な話、今回はそれほど書くことがないなぁ、と思ったり。
 未咲さんの可愛らしさ(あるいは普通さ?)を表現するのはうまくいっていると思うけれど、肝心のゲスト(アリス@伊藤静&魏@草尾毅)の掘り下げがかなりテキトーのような気が……、いや、多分後半にたたみかけるような展開が待っているんでしょうが。

『Darker Than Black』という作品は、対価=失った人間性を取り戻そうとする行為(一部例外有り)に重ねるように、「失ったものを取り戻そうとする人たち」の物語を描いているんだと思うんですが、今回はその失ったものがまったく見えてこない。

 せめて、VI-952たる魏(ウェイ?フェイ?)の対価さえわかれば、それを足掛かりに、何か妄想でも披露できるんですが(笑)。←前回の妄想が楽しかったようで、披露したくて仕方ないらしい(苦笑)。



 アリス・ワンを変えたのは何なのか、魏と組んで、何をしようとしているのか、それらを想起させるヒントを少なくとも僕は見つけられませんでした。

 ということで、今回は積極的に感想巡りをしてみようと思います。


  もう一度見て、ようやくヒントらしきものを発見。

「これでもう痛みも悲しみも消えてなくなるの。素晴らしい光に満ちた私だけの世界が始まる」

 というアリスの言葉が手掛かりかなぁ。
 ようは、痛みや悲しみを与える他者から解放された世界をアリスは望んでいて、その痛みや悲しみを作り出した根元、父のマフィア組織に対する復讐ということでいいのかな。
 
 マフィアのボスの娘ということで、根も葉もない噂を立てられたり、あからさまに避けられたりとか、そういう幼少時代を過ごしてきたんでしょう(「そんなこと、新宿じゃあ子供だって知ってるよ」という未咲の台詞がそれを補完する)。あるいは、父の部下が裏切るのを目の当たりにしたこともあったりするのかもしれない。

 そういう青春時代を仮に送っていたとしよう。

 そんな中で、臭いの! 煙草の臭いが! とか、割と利己的な理由で、煙草をやめろ、と言ってきた未咲に、アリスは友情らしきものを感じる。友情らしきものを感じているがゆえに、アリスは今回未咲を殺そうとした。彼女を生かしておいたら、また裏切られてしまうかもしれないから。もちろん、友人を殺すのは悲しいし、痛い。だから、石の華の成分で神経を麻痺させる。
 彼女を殺しさえすれば、悲しみや痛みを与えるものはいない、自由な世界――

 とまあ、妄想炸裂。うん、やっぱり、ホラ話は楽しい(笑)。



 ……と、これだけではあんまりなので、一応気づいたことを。

 とにかく今回は赤と白が目立つなぁ、と。
 アリスの初登場シーンのドレスが赤と白。誕生パーティでのドレスが白で、未咲のチャイナドレスが赤と……、おそらくはかなり意識して使っているんじゃないかと。赤はもちろんですが、白も血を連想する色ですし。
 次回予告のアリスのドレスはまったく血に染まっていない(=純白)のは、誰かの血で真っ赤に染め上げるという演出のためなんだろうなぁ。

 あともうひとつ。
 パーティで李くんにまったく反応を示さない未咲さんですが、あれは李くんの顔が見えていないからなんだろうと思います。目を細めて必死に遠くを見ようとする仕草からもわかるように、彼女眼鏡を外すと周囲が全然見えていないんでしょう。
 次回、黒<ヘイ>の仮面が外れる所を美咲は目撃しますが、顔が見えなかったというオチになるんじゃないかと。



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DARKER THAN BLACK-黒の契約者- 1 (通常版)





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